「そんなにダメっていうなら、強行突破!」 「あ、!」 ラインハルトたちを振り切って走り出したは、酒場のドアを大きく開けてひとりで飛び込んでしまう。 「あいつは……」 「ああ……もう……」 頭を掻き毟るラインハルトと、額を押さえるキルヒアイスの横で、オーベルシュタインは軽く首を振って溜息をつくだけで何も言わなかった。 とにかく早く追いつかなければと三人が足早に後追って続いて酒場に入ると、心配した通り、はさっそくテーブル席の青年に声を掛けられていた。 「やあお嬢ちゃん!ここはお嬢ちゃんが一人で来るような場所じゃないぞ」 拳法着を着た褐色の髪の男で、どうやら拳で戦う武闘僧のようだ。 「おい、ポプラン。子供にまで声をかけるな」 「はーん、やだねえシェーンコップのエロ親父は声をかけたらナンパと決め付けて。俺はあんな可愛い子がひとりでうろうろしてたら危ないから、保護してやろうと声を掛けただけだろ」 「まあ、そういうことにしておけば無難ではあるな」 「お前まで失礼だなコーネフ!子供は俺の守備範囲外だ」 を手まねている武闘僧のテーブルには、甲冑を着た男と、軽装備で傍に弓を立てかけた男がいる。他にも同じテーブルには苦笑して顔を見合わせているローブを着た男と少年がいるので、恐らく彼らも連れだろう。 「あのね、聞きたいことがあるの」 「馬鹿!よせっ!」 声を掛けてもらったついでにと、トコトコと歩み寄ろうとするの襟首をラインハルトが掴んで引き摺り戻す。 「あれは他国の人間だ!」 「え、なんで判るの?」 「言葉に僅かにだけど、西方訛りだったからね」 ラインハルトとキルヒアイスの説明に、はきょとんと目を瞬く。 「外国の人だと何かダメなの?」 「駄目に決まっているだろう!お前は国家の大事件を他国に流す気か!?」 「ですが、他国の者ゆえに我々が知らない情報を所有している可能性もありますな」 オーベルシュタインの言葉に、ラインハルトとキルヒアイスは顔を見合わせた。 「あー?あんたらその子の保護者?だめだよー、子供連れで酒場なんてさあ」 「連れてきたわけではない!勝手についてきたんだ!」 親切な忠告であろうと、落ち度として扱われると癪に障る。ラインハルトは思わず怒鳴り返してしまった。 さて。 1.他国の一団に話を聞いてみる。 2.思わず怒鳴って注目を集めてしまったので逃走。 |