「確かに。情報がなければ作戦の立てようもないな」 従者キルヒアイスと魔道士オーベルシュタインの意見を聞き入れて、ラインハルトはまず街で話を聞くことにした。 「えー……わたしがいれば、行く方角は判るのにー」 猫のだけが不満そうだ。 「しかし情報収集とは、どこに行けばいいものか。その辺りを歩いている者に闇雲に話し掛けても有意義な話が聞けるとも思えんが」 「まず、酒場へ行くのがよろしいかと思われます。ああいった場所には様々な者が出入りしますので、情報が集まりやすくできております」 「なるほどな。よしキルヒアイス、酒場へ行くぞ」 オーベルシュタインの提案に大きく頷いたラインハルトが従者を促すと、キルヒアイスは渋面を作ってそれを渋った。 「オーベルシュタイン殿の仰るとおり酒場には確かに様々な者が出入りしますが、それだけにあまり店内の治安はよくありません。行くなら私とオーベルシュタイン殿だけで行って参りますので、ラインハルト様はと安全な場所でお待ちください」 「馬鹿を言うな!行くなら俺も行くぞ!」 「えーじゃあわたしも行くー。一人で待ってるのは暇だよ」 「……」 キルヒアイスは頭が痛いとばかりに額を押さえた。 「少なくとも、は同行しないほうがいいでしょうな」 「どうして!」 オーベルシュタインにまで弾き者にされて、はムッと不機嫌に眉を寄せる。 「酒場には酒の入った者も多い。女の子が行くところじゃないんだよ」 「なるほどな、確かにキルヒアイスの言う通りだな」 「一人で入るんじゃないから大丈夫でしょ、そんなの!」 「……どうしても行くなら、その間だけ猫の姿に戻しておくが?」 溜息をつきつつ出されたオーベルシュタインの提案に 1、素直に猫に戻してもらう。 2、このまま強行。 |