「君が、俺の側にずっといればいいのに」



日本から眞魔国へ。
もう慣れたスタツアもどきで到着した途端、そんなことを言われたらわたしはどうすればいいのでしょう。
普通、第一声は「おかえり」とか「久しぶり」とかじゃないですか!?
「せめて『逢いたかった』くらいだと思うの!」
わたしがお湯に浸ったまま絶叫すると、『せめて』から始まった言葉に疑問も見せずにコンラッドは微笑む。
「もちろん、逢いたかった」
そう言って、真っ赤になってしまったに違いないわたしをお湯から抱き上げた。
「コ、コンラッド!濡れる、濡れるってば!」
もう遅い。風呂場に現れたわたしはもちろん、湯船から抱き上げたコンラッドまでぐしゃぐしゃに濡れてしまった。
「いいよ。と濡れるなら」
「……なんか発言がいやらしい……」
ぼそりと呟くと、コンラッドの眉が軽く上がる。
「じゃあ、いやらしいことしようか?」
「いやー!嘘!?冗談、冗談だから!」
コンラッドの端整な顔が近付いてきて、思わず必死で押し返す。
「いたた、そんな必死に拒絶しなくても。に愛されてないのかと、寂しくなるな」
「だ、だって!せめて場所、場所変えてよ!」
こんな湯気と熱気の篭った場所で変なことされたら、頭に血が昇って絶対にのぼせる。
「じゃあ、場所を変えたらいやらしいことしていい?」
「そ、そこから離れてください!」
コンラッドは、とってもいい笑顔で即答した。
「無理」






狂愛風味に十のお題
6.離せない
配布元


第三回拍手お礼の品です。
間違いなくお題から外れた内容に。
駄目コンラッド……。


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