離れていると、とても寂しい。
そう認めるのも癪だから、面と向かって言った事はないけれど。
「早く帰ってこーい」
やや投げやりな口調で空に向けて手をかざした。
それが星間旅行だというのなら、一緒についていけるのに。
戦争となると、待っているしかない。
ただ、待つしかない。
うんざりした気分で空にかざした手の、指の間から目を細めて太陽を眺める。
「ああ、いやだ。憎たらしいほど眩しい」
太陽は、眩しく輝きながら宇宙に浮かぶ。
彼のいる宇宙に。
忌々しい太陽は、それでも夜に煌く星に比べれば可愛いものだ。
星々は、彼の心を魅了して離さないから。
「星なんかどこがいいのよー!触れないし喋らないしただ反射してるだけなのに!」
なのに、彼は虚空の輝きを愛してやまないのだ。
星に嫉妬しているなどと知れたら、どれだけからかわれるかわかったものではないので、それも決して口にはしないけれど。
「早く帰ってこーい」
もう一度繰り返して、太陽と雲しかない空に向かって手を伸ばす。
「早く無事に帰ってきてよ」
今すぐ帰ってきたら、色々出血大サービスするのにさ。
そう言って、そのまま芝生に寝転んだ。
「絶対に、帰って、きてよ」
目を覆うように腕を置き、最後にむっつりと呟いた。
「宇宙なんて大嫌い」
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