(オーベルシュタイン:以下オベ)「簡潔に、かつ簡単に当方のビッテンフェルトを止める議題を提出しよう」 オーベルシュタインが差し出した一遍の紙を受け取ったヤンは、それに目を丸めながら声に出して議題を読んだ。 ヤン「気に食わない相手」 (ビッテンフェルト:以下猪、ポプラン:以下ポ)「それはこいつだーっ!」 「……ぶっ」 (フェルナー:以下フェ)「フロイライン、まずい。そこで笑うのは、これまたまずい」 「だって……」 (コーネフ:以下コ)「よかったな、ポプラン。女の子に笑ってもらえて。ライバル視が片想いだ」 ポ「どういう嫌味だよコーネフ!おい、ビッテンフェルトの猪野郎!このタイミングで出たこのお題に、なんで今まで言い争っていた俺じゃなくて、自軍の参謀を指差すんだ!」 (ユリアン:以下ユ)「い、いいじゃないですか、ポプラン少佐!もう喧嘩を売らないでください!」 猪「貴様はしょせんこの場限りの相手だ!だがオーベルシュタインの陰険野郎はずっと同じ軍にいるのだぞ?当たり前ではないか!」 (シェーンコップ:以下シェ)「猪と呼ばれる割には意外と冷静な意見だな」 ヤン「よさないか、シェーンコップ」 猪「む、そこのシェーンコップとかいう奴も、何となく気に食わないのはどうもロイエンタールと印象が似ているせいか?」 「あ、やっぱり?ビッテンフェルト提督もそう思います?似てますよね、何となく」 猪「うむ。フロイライン・とは気が合うな。このすかしたところがロイエンタールに似ているのだろうか」 シェ「気に食わないと言われようと、すかしていると言われようと気にはならんが、ロイエンタール中将と似ていると言われるのは納得しかねるな。俺が中将に似ているのではなく、中将が俺に似ていると訂正してもらおう」 ポ「あ、シェーンコップの不良中年の意地が出た」 シェ「中年は訂正しろ、ポプラン少佐」 (キャゼルヌ:以下キャ)「まあまあ、そんなに敏感に反応することもあるまい」 シェ「他人事のように言っているが、小官が中年呼ばわりされるということは、小官より年上のキャゼルヌ少将も同じ扱いということになるはずだが?」 キャ「俺か?俺はもう中年だからな。事実に抗っても仕方あるまい」 (アッテンボロー:以下ア)「おお……なんと潔いそのご意見」 キャ「三十も半ばになって中年と言われて怒っているようでは、器が小さいと言われても仕方が無いぞ。アッテンボロー、お前さんもヤンも、さっさと結婚して中年と呼ばれてもいい心構えを作っておけよ」 フェ「家庭を持った者の余裕というものですか……」 オベ「フェルナー。その視線は何か言いたいことでもあるのか?」 フェ「いえ、閣下。まさか、そんなことありませんよ」 「言われてみれば、この中で結婚しているのって、キャゼルヌ少将だけなんですね。わたしとそっちのヤン提督の従卒の子はまだ十代だからともかくとして」 コ「……爆弾発言だね、お嬢さん」 「へ?」 ポ「俺とコーネフはこの中ではまだ若いぞ!それに俺の場合は結婚という制度に縛られることをまだ望んじゃいないだけだ!」 キャ「若かろうと俺は結婚していたぞ」 シェ「結婚したくともできない人間と、したいわけでもない人間を同類に扱うのはやめてもらおう」 猪「その言い草がやはりロイエンタールと似ていて腹が立つ!できなくて悪いか!?」 フェ「参謀長の下で働いていると、忙しくてそれどころじゃないからね……」 ヤン「いや、同感だねえ。私も最前線で要塞司令官兼艦隊司令官なんて重責を担っていると責務で忙しくてね……」 キャ「ヤン……お前さんのそれは、思索という名目で公園のベンチで昼寝することがか?」 ヤン「眠っているように見えて、頭の中ではいろいろと考えているんですよ」 ア「そもそも俺は独身主義者なんで、結婚は考えたことがないんだ」 コ「ほら、こうなった。爆弾発言だろう?」 「モウシワケゴザイマセンデシタ」 ユ「コーネフ少佐は落ち着いているんですね」 コ「ミンツ君、それはだね。結婚なんて縁の問題だから、焦っても仕方がないだろう?慌てて言い訳するほうが、みっともないこともあるんだよ」 「怖い、この人が一番怖い。どうしてだろう……ジークを思い出す……」 「ところで、キャゼルヌ少将と同い年のオーベルシュタイン中将は、独身であることについて、何か言うことはないんですか?」 オベ「……では、フロイライン・にはまず結婚と言う制度の意義、成り立ち、長短、その他さまざまな側面からの分析について説明するところから始めねばならないようだが」 「あ、いや、結構です。いりません。わたし、まだ若いですから」 オベ「若いと言っても帝国法ではすでに婚姻を許可される年齢に達しているではないか。そもそもこの婚姻の許される年齢とは時代と共に上下しており、現在の法においては……」 「すみません、ごめんなさい、反省してます。あ、ヤン提督の従卒くん……えーと、ユリアンくん、コーヒーのおかわりください。いや、いいです。やっぱり自分で淹れるわ!お湯どこだっけ!?……お願い、ここから連れ出してー!」 |
「いかすけないヤツ」 配布元:自主的課題 話が雪崩を打って違う方向へ流れていきました……。 どうして座談会がこのメンバーになったのか、になるはずだったのに。 (そしてオーベルシュタインが引率だったことが判明するはずが) すごいグダグダのまま終わります(^^;) 時期としては帝国はリップシュッタット戦役、同盟はクーデター騒動、 その直前くらいのつもりで。(こんなことしてる暇があるのか^^;) 大体みんなこれくらいの階級だったはずなんですが……。 長編TOP お題部屋 |